マレーシア コロナ事情

まだまだ日本でも新型コロナウイルスの新規感染が続いていますが、ここマレーシア・ジョホールバルでは、新規感染の封じ込めには成果を見せています。これまでのマレーシア政府の対応について、簡単にまとめてみました。

1.ロックダウン(活動制限 Movement Control Order)の発令

マレーシアでコロナウイルスによる活動制限が発令されたのは、3月16日。それまで、3月上旬より1日に多い日で40人程度であった新規感染者が、3月15日に190人と急増したことを受けて、急遽3月18日から31日までのロックダウンが発令されました。
それまで対岸の火事的な意識でコロナのニュースを見ていたので、突然のロックダウンにとても驚いた事を記憶しています。
この活動制限(MCO)は最終的に延長を重ね、5月3日まで継続されました。
MCOでは、ジョギングしていた日本人が拘束される等、厳しい外出制限が課され、違反者を取り締まる検問が多く設置されました。検問には銃を持った軍人がおり、マレーシアのコロナへの厳格な対応を意識せざるを得ませんでした。

2.条件付き活動制限(Conditional Movement Control Order)の発令

5月4日から活動制限の第2段感であるCMCOに移行され、多くの経済活動の再開が許可されました。これにより、オフィスでの勤務が再開され、外食やゴルフも政府が定める規制内容(SOP)に従い、できるようになりました。
オフィスや飲食店に入る際には、名前・連絡先等を記載し、更に検温する必要があります。これは感染が発生した際の追跡を容易にするためですが、後にバーコードリーダーと連動した政府推奨のアプリが登場し、ノート等への記載は不要となりました。この制度は今も続いております。
また、公共の場でのマスク着用が義務付けられました。
CMCO期間中の行動内容が、ある種筒抜けになる制度ですが、特に大きな反対もなく導入されました。

3.回復のための活動制限(Recovery Movement Control Order)へ

6月10日から、活動制限がより緩和されたRMCOへ移行しました。
これにより州をまたいでの移動が可能になり、またCMCOでは許可されなかったヘアーカット等が再開されました。この時点で、再開できない業態はパブやナイトクラブといった一部に限られました。
日本人学校もこれを受け、7月1日から再開しております。
このRMCOは当初8月31日まででしたが、延長され12月31日までとなりました。
パブの営業再開許可がおりておりませんが、ここ最近はレストラン名目で営業開始する店が出てきました。マレーチャイニーズやインド系を中心に、パブで飲む客も増えてきています。

4.今後の見通し

マレーシアのこれまでの対策をみて、感染の封じ込めに成功していると感じます。9月22日現在、マレーシアのKL・JB等では新規感染者はほとんど見受けられない状態になっています。それでも、外国等から感染者が入ってきた時には、クラスターの発生するリスクは有り得ます。それでも、政府の対策を評価する声が多くあります。
現在は、外国人の入国、マレーシア人の外国への渡航には慎重な姿勢を見せておりますが、経済の回復のためにも、ビジネス目的の出入国を認める動きも出ております。
ジョホールバルとシンガポールとの通勤の往来については2021年1月から制限の撤廃を目指しているとの報道もあります。
しかしながら、現実的には多くの知人が年内は日本に帰ることを諦め、帰国した留学ファミリーはマレーシアへの再入国を躊躇しているという声も聞きます。現在は、長期ビザまたは労働ビザ所有外国人の入国は認められておりますが、14日間の施設隔離が必要になります。経験者によるとホテルの部屋から一歩も出ることができず、またホテルによっては窓の無い部屋もあり、かなり過酷な14日間になるとのことです。自由に外国へ渡航・外国から入国できる日の見通しは、未だたっておりません。