シンガポールの不動産に関する法律 (Estate Agents Act)

シンガポールイメージ

シンガポールで、日本の宅地建物取引業法にあたる法律はEstate Agents Actといいますが、日本の宅地建物取引業法と随分異なるところがありますので紹介します。

以下に代表的な内容を挙げます。

1. 不動産業務を行う場合のライセンス制度

日本ではライセンスを持った宅地建物取引士以外の従業員が、取引過程の相当な範囲を担当しても問題ありませんが、シンガポールではライセンスを持った不動産取引士のみがすべての業務を行うことができます。

ライセンスなく不動産業務を行った場合、業者(その経営者)に対しては罰金$75,000(約600万円)以下および禁固3年以下、個人に対しては罰金$25,000(約200万円)以下および禁固1年以下のペナルティが課されます。

2. 重要事項の説明

日本では宅地建物取引士が重要事項説明を行いますが、シンガポールでは重要事項説明にあたるものは弁護士が行います。さらに弁護士はエスクロー口座を開設し売買金銭の受け渡し管理にも関わります。

3. 不動産仲介料の両取り禁止

日本では認められる売主・買主(貸主・借主)の両方から仲介手数料を得ることが、シンガポールでは禁止されています。Dual Representationと呼ばれ、利益相反にあたるとされます。

違反した場合、罰金$25,000(約200万円)以下および禁固1年以下のペナルティが課されます。

4. 金融業者斡旋

不動産業者および不動産取引士の金融業者の紹介・推薦の禁止、および金融業者よりのバックマージン受領の禁止。

違反した場合罰金$25,000(約200万円)以下および禁固1年以下のペナルティが課されます。

5. 不動産取引に関わる現金の持ち運び禁止

不動産取引士の不動産売買取引に関する現金の持ち運び禁止は禁止されています。シンガポールでは小切手が多く利用されており、小切手か銀行送金での支払いがほとんどです。

違反した場合罰金$25,000以下および禁固1年以下のペナルティが課されます。

6.  倫理基準及び顧客ケア基準(The Code of Ethics and Professional Client Care)

以下の基準が不動産取引士に徹底されています。

① 関係法令、ガイドライン及び重要な事項の遵守に関する知識の取得
Knowledge of and compliance with applicable laws, practice circulars and guideline

② デューディリジェンス及びコンプライアンス 遵守
Due diligence and compliance with law and statutory requirements

③ 顧客及び社会に対する一般的義務
General duty to clients and public

④ 不信又は不評を不動産業にもたらすことの禁止
Not to bring discredit or disrepute to real estate industry

文書に署名する顧客に対する義務
Duty to clients in relation to signing of documents

⑥ 不動産契約に関する義務
Obligations in respect of agreements

⑦ オファー・カウンターオファーを伝える義務
Conveying offers, counter offers, etc.

⑧ 必要な場合における解釈説明・翻訳
Interpretation or translation if necessary

⑨ 広告に関する義務
Duties in respect of advertisements

利害衝突を回避する義務
Duty to avoid conflict of interests

⑪ 適切な場面で専門的助言の推奨
Recommending professional advice where appropriate

⑫ 秘密情報の保護
Safeguarding confidential information

これらに違反した場合には、管轄官庁からの懲罰処分がなされます。


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